借地権者が借地権を譲渡する場合には、地主の承諾が必要です。
それでは地主が承諾をしない場合には絶対に譲渡はできないのでしょうか。
借地権の譲渡を認めても特段に地主の不利益にならないような場合には、仮に地主が借地権の譲渡に承諾を与えなくても、譲渡を認めてあげる必要が出てきます。
その制度として、借地権者が借地非訟手続という手続によって、裁判所に対し地主の承諾に代わる借地権譲渡許可の裁判を求める申立をすることができます(借地借家法第19条)。
裁判所は、借地権者から申立があると、借地権の残存期間、地代の支払い能力、借地に関する従前の経過、借地権の譲渡又は転貸を必要とする事情、その 他一切の事情を考慮して許可の申立を認めるかどうかを判断します。許可されれば、地主の承諾がなくても建物と借地権を自由に譲渡することができます。
そして、認める場合にも、当事者間の公平を図るため必要があるときは、地代の変更などの借地条件の変更を命じたり、借地人に地主への一定の財産上の給付(承諾料)を命じます。
地主の承諾を得るために支払われる金員が借地権譲渡承諾料と言われ、借地権価格の10%程度が普通であると言われています。